カテゴリ:気球技術系( 36 )

極厚物用ミシン

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極厚物の縫製に使用するミシンを入れた。

SEIKOのSK-6Fというミシンだ。

分厚い物を太い糸で縫う為のミシンなのだが・・・実際の所、明確な用途がない・・気球の縫製にはこんなごついミシンは必要ないし・・・まぁ球皮袋や様々な周辺用品を縫うには十分な能力がある。置き場所がないのでとりあえず和室で鎮座している。

分厚い皮もバリバリ縫える。厚いサドルレザーも難なく縫えそうだ。

SEIKOは厚物縫製用ミシンでは定評あるメーカーだ。すでに、2本針の総合送りを使用しているのだが、がっちりした作りには好感が持てる。ミシンというより縫製をする工作機械と言った方がよい感じだ。
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by airspace_balloon | 2008-07-10 15:00 | 気球技術系

技術資料

金具はUPSの国際宅急便で届いたのだが、夕方、郵便でインボイスと、技術証明書のような書類が届いた。

製品の材料を検査し、含まれている微量の金属の組成と、強度検査の結果を記載した書類が送られてきた。

正直なところこんな物まで来るとは思っていなかった。

さすがにアメリカ軍御用達の会社の製品だ。信頼性は格段に増す。この金具はずっとエアロスターだけが使っていたようだが、最近ヨーロッパメーカーも使い始めたようだ。詳細は不明だが、このパーツを探すために、インターネットでパーツナンバーを検索したところ、ヨーロッパの気球メーカーの技術情報のHPにも行き当たった。このパーツを使うように変更する場合の情報が記載されていた・・・

まぁともかく、うちではこれを使って、球皮とワイヤーを接続させる。
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by airspace_balloon | 2008-07-07 23:41 | 気球技術系

アメリカから金具類が来ました

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アメリカの軍用パラシュートハーネスなどの金具を製造している会社からパーツが届いた。

気球の開口部でワイヤーと本体を接続する部分にエアロスターが長年使用しているパーツなのだが、エアロスター経由で買うより製造元から買う方が値段が安いに決まっているので、今回の製造開始にあたり製造元を探し出し直接交渉した。

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大した形状でもなく、国内でも製造は可能だろうが、鍛造でこの形状を数百個レベルで製造するととんでもない価格になってしまう。

アメリカの軍需に係わる実績有る会社から調達するのが最も無難だと思った。
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by airspace_balloon | 2008-07-07 11:53 | 気球技術系

だいぶ放置してしまいました。

なんだか、随分長いこと放置してしまいました。

色々書くことはあったのですが、MIXIをつかいだしてから、どうも、ブログと両方はしんどく、放置モードに・・・

また再開してみようと思います。

この間にも色々有り、気球製造を開始することにしました。輸入という色々不確定な要素がある部分から、国内製造により、代理店という間に入る色々な調整上の問題、国情の違いによる納期に対する考えなど、色々な部分での不満を解消しようと言うことでもあります。

また、国内で製造することにより、製造直売による無駄なコストの省略による低価格を目指してもいます。

製造開始するにあたり、まずは試作の試作というレベルで一機の気球を5月に作りました。

完成後なかなかテストするチャンスが無くやっと先週テストした次第です。
AX-4 31サイズの小さな機体です。上側がナイロン、下の色が変わったところからがポリエステルです。素材の違い、伸び率の違いなどがやや問題です。

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20年余りストックされていた素材を引っ張り出し、余り布だけで作った機体です。まぁ・・・縫製練習って感じだったかも。

製造開始にあたり新たに工業ミシンも増やしたり、新しい機構を取り付けたり、色々調整をしてその試し縫いの意味でもありました。そのため一部にはしわが入った部分もあります。これらのしわも、テンションをかけると取れてくるしわと、直らないしわがあり、もうちょっと調整して行く必要がありそうです。

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この開口部まわりのしわもその一例ですが・・・

この様なしわでは製品にならないので、プーラーという機械をとりつけたり・・・色々考えないと・・・

これに続いて現在も一機作っています。これは試作ですね。77サイズです。
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by airspace_balloon | 2008-07-01 17:42 | 気球技術系

千鳥という縫い方

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エアロスターが製造停止したことに伴い、新たに取り扱うメーカーの機体が使用している縫製方法が千鳥、いわゆるジグザグ縫製だ。

この縫製方法は縫い目あたりの強度は直線縫いより高く、引っ張られても柔軟に伸び糸切れや糸の張りによる素材の破損などが起きにくいために多くのスポーツ用品などに使用されている。ヨットのセールの縫製は千鳥で行われるのが常識となっている。またフレキシビリティーが要求されるウエットスーツなどの縫製もこの方法で行われる。

気球に目を向けると、ほとんどのメーカーが直線縫いを使用しているなか、ファイアーフライのみが多くの箇所にこの縫製方法を採用している。エアロスターもかつて部分的に使用していたので、古い機体の一部にジグザグ縫製が使われていた。

メーカーは多くの縫製パターンを使用することにより、専用ミシンを何台も使用しなければならなくなり、同じ縫製方法を採用して設計される方向に推移しているようにも思える。

今まで取り扱っていたエアロスターに適合するミシンを用意してきたのだが、今後はこのジグザグ縫製の機体の修理に対応すべく新たに厚物対応のジグザグ工業ミシンを導入した。以前エアロスターの一部の縫製に対応すべくジグザグミシンを所有していたのだが、使用頻度が低く廃棄してしまった経緯があり、今となっては惜しまれるのだがしょうがない・・今回導入したのはアイシン精機製の厚物対応で、導入後様々な縫製にどの様に対応させるか色々テストを繰り返している。

工業ミシンも4台あるので、勘所はすぐにつかめたのだが、直線縫いに比べて調整はやはり微妙なところがある。縫う対象や、縫い糸などにより、直線縫い以上に微調整が必要なことを改めて感じる。縫製工場のように同じ素材で連続して縫製するのに比べ、気球の修理では様々なシチエーションでの縫製があり、そのたびに微調整をしなければならないことを感じた。これら微妙な調整が出来てはじめて千鳥の縫製でしっかりした強度が出てくる事が余り多くのメーカーにこの縫製が使用されない理由なのかもしれないと思った。

論理的に優れている方法であってもクオリティー管理がよりシビアーであることが採用されにくい理由なのかもしれない。しかし、ちょっと考えてみると気球以上に遙かに多くの需要があるヨットセールの世界ではこの方法が常識的縫製方法であり、これによりキッチリとしたクオリティーが維持されていることを考えると、気球メーカーの考え方がいかに保守的であるかという現れなのかもしれない。

またヨットセールは気球に比べて遙かにシビアーな精度で縫製されている。1mmのズレでしわが入り、セーリング性能に影響するからなのだが。気球ではしわだらけの機体でも飛べてしまうぐらいのいい加減さが有るのだが・・・・

試しにこの縫製方法で自作機でも作ってみようかと・・・ふと思ってしまうのだが。
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by airspace_balloon | 2007-06-04 16:10 | 気球技術系

ハイテクファブリック考

気球には結構ハイテクファブリックと呼ばれる物が昔から使われている。

最もなじみ深いのが開口部周辺に使われる耐熱繊維ノーメックスではないだろうか、これは私が自作で熱気球を作り始めた頃すでに普通に使われていたが、コーネックスと呼ばれる国産のノメックスに近い国産の素材が使われることも多かった。
他にも、エアロスターが長年使ってきたカイノールという素材もある。この耐熱性はノメックスに勝り、仮に熱がかかっても大きく破けたりしない特殊繊維だ。繊維強度そのものがノメックスに比べて低く、染色が出来ないため内張として使用されてきた。

気球本体に使われるナイロンの素材そのものも変化している。特にエアロスターが最後まで使っていたソーラーマックスと呼ばれるデュポンのナイロン素材は耐紫外線、耐候性を非常に高めた素材で、他社の追従を許さない。またその織り方もダイヤモンドウイーブと呼ばれる今までのリップストップにはない高い耐引き裂き強度を有するものだった。結局、この素材を使用するようになってからエアロスター社は徐々に販売不振に陥っていった・・・なぜか・・・それは今までも他社より高い耐久性を持っていた気球が更に高い耐久性を有することになり、とても長く使えるようになり、老朽化による更新が行われない状況が発生した。結果エアロスターは製造をやめることになるのだが。なんだか皮肉な話でもある。

リップライン、センタライジングラインなどに使われるコード類も変化している。昔はポリエステルのものがほとんどだったが、ケブラーの登場に伴い耐熱性、のびない特性などから80年代後半ぐらいからケブラーが多く使われるようになった。これに伴い、リップラインの調整が長期間不要になっていった。それ以前は使用に伴う伸びがある素材をセンタライジングなどに使用していたため、使用時間に伴い、リップラインの調整が必要だった。リップラインも耐熱性の高いケブラーを使用するようになっていった。

サスペンションケーブルは、長くステンレスワイヤーが使われていたが、80年代ケブラーが一般化するに伴い90年頃からケブラーのサスペンションケーブルが各社で使われはじめた。ケブラーは強度が高くキンクしにくく、耐熱性もかなりあるのでとても良い素材に思われた。特に電線接触の時、不導体であるケブラーはより安全であるとも考えられていたからだ。しかし、意外に普及しなかった。その原因はインフレ時にパイロットが不用意にケブラーラインをあぶってしまったりした場合、高い耐熱性を持っているケブラーとはいえ、ステンレスには及ばなかったのだ。これにより強度劣化を起こしたケブラーラインの破断などが起き、メーカーも標準仕様はステンに戻していったところも多い。現在でもオプションでケブラーラインを供給するメーカは多いが。

これからのハイテクファブリック

ノメックスも、ケブラーも80年代以前から有るデュポンの技術による製品で、長年使用され多くの実証データに基づいて使用されているが、90年代以降も様々なハイテクファブリックが市場に供給されている。残念ながら気球メーカーはこれら新しいファブリックの使用に余り積極的ではない。特にエンベロープ本体の素材に関してはエアロスターの轍を踏まないようにしているのか高耐久性には余り関心がないようにすら思える。しかし、いずれにしろいつかはハイテクファブリックが使用されていくのは間違いないと思われる。

たとえば、スペクトラやダイニーマという素材があるのだが、耐熱性が気球本体に使用するにはやや劣るため使われる事がないようだが、ケブラー以上の強度と耐候性を生かしバスケット部分や軽量のタンクベルトなどに使用する場があるかもしれない。これは釣りをする一なら知っているPEラインも同じ物だ。またベクトランという新しい素材も気球への応用が十分に考えられる素材と思われる。耐候性、耐熱性とも似高い。
ザイロンと呼ばれる繊維ももケブラーやノメックスの変わりとして十分にこれから可能性がある素材だろう。

またコーティング技術も目に見えにくい形で大きく進歩している。パフォーマンステキスタイルというアメリカの会社の高い技術は注目に値するものがあると思うのだが・・・

残念ながらこれらの技術的進歩は気球ユーザーには余り享受されていない。それはここしばらく続く世界的な気球界全般の不況の影響が大きい。製造数の減少、価格の上昇、製造メーカーの減少、フライトの難しい国が増えたり、様々な要因が悪いスパイラルを作っているように思える。いずれこれらがよいスパイラルになり、ハイテク素材を用いた新世代の気球が作られることを期待してやまないのだが。
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by airspace_balloon | 2007-06-01 09:39 | 気球技術系

超軽量気球その2

追加画像が来たのでアップしてみました。
大きなサイズの気球もかなり軽くなりますし、特殊な折りたたみバスケットと組み合わせるとなかなか良いかも。現状では小さなサイズ中心で開発が進んでいるようです。

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by airspace_balloon | 2007-02-11 23:02 | 気球技術系

超軽量気球

アメリカのエアロスターのディーラーをしていて、それ以前からエクスペリメンタルの分野では結構有名だった人が、エアロスターの撤退後、超軽量機体の製造をはじめました。超軽量とはいえ、気球ですから、それなりの重量はありますが、通常の60%ぐらいの球皮重量になります。素材はシリコンコーティングの軽量ファブリックで、耐久性テストでは通常流通しているヨーロッパメーカーの製品なみの耐久性はあるようです。
重量が、AX-6で球皮が45キロ以下になりそうです。球皮が満タン20キロよりちょっと重いぐらい。
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スムースシェープの機体
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いわゆるカボチャ、バブルシェープとも呼ばれます。


価格も安くリプレース・エンベロープには良さそうです。

現状ではアメリカではエクスペリメンタル(試作機)としての登録になりますが日本では正式登録が可能です。アメリカで型式証明を取得するのはコストと時間がすごくかかります。

AX-4もラインナップにあり、これなら30キロ台になるかもしれません。基本的サイズは77,69,54,42です。またスペシャルオーダーでもっと小さい物も可能です。

うちで取り扱うと思いますので、そのうち詳細は機関誌にでも・・

(ちょっと編集しました)
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by airspace_balloon | 2007-02-10 11:39 | 気球技術系

スカート気球のインフレーション

スカート気球のインフレーション作業を見ていると、時々大きく間違ったインフレ作業をしているチームを見かけます。基本的なスキルさえ飲み込めばとても楽にインフレ作業が行えるのです。小千谷で連続したインフレ作業の画像があったのでまとめてみました。

まずレイアウトし、スカートをたくし上げ開口部を持ってインフレーターで送風します。
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ある程度ふくらんだ段階で、スカートをまっすぐ伸ばし、スカートの下端とスカートをさばくためのラインを両サイドのクルーが持ちます。出来るだけパワフルなインフレーターで完全にふくらませると後が楽です。スカートスプリング部分を手でホールドするだけで、足で球皮を踏んだりする必要はありません。汚れますし。
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インフレ作業はバーナーのジンバルをほとんど使わないように意識して、バスケットを気球が立ち上がるのに合わせて持ち上げるようにして、バスケットの底からクラウンリングまでが一直線になるようなイメージでインフレ作業をすると最もスムースなインフレが行えます。
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時々見かけるバーナーのジンバルの動きに頼った炊きかただと、目線と開口部の中心への軸がズレ、誤った方向へバーナーを炊く可能性がたかくなります。また、立ち上がってきた球皮の開口部に歪んだ力がかかるために綺麗に開口部が開かないので火を炊き込むスペースを小さくしてしまいます。これはスカートに限らずどのようなシステムでも同様です。

また全般に言えることなのですが、クルーが開口部を横に引っ張りすぎるのは良くありません。開口部はバーナーが炊きやすいように丸く出来れば上下方向に巾が取れるように広げるのが開口部のクルーの重要な役目です。
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by airspace_balloon | 2006-03-04 23:02 | 気球技術系

レーザーレンジファインダー

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この双眼鏡のような機械が結構良いんです。

だいぶ前から製品は販売されていたレーザーレンジファインダーですが、余り普及しているような感じはありません。日本メーカーが作っていてOEMで何社かに提供しているようです。
赤外線レーザーを使って対象物までの距離をほぼ正確に計測できる機械です。

もう5~6年前に購入して時々使ってきたのですが、競技での遠くのマーカー計測にはとても便利です。もちろん正確さでは光波の測量機には及びませんが、シンプルで簡単で、ローカル大会レベルであれば十二分の機能があります。

岩出山では活躍しましたし、今回12月の風にもお貸ししましたが余り活躍する機会はなかったようです。
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by airspace_balloon | 2005-12-15 22:41 | 気球技術系