カテゴリ:気球技術系( 36 )

湿度が気球の浮力に及ぼす影響の考察

随分久しぶりの投稿ですが、生きてます(笑)


気球の浮力計算において、通常使われるロードチャートでは乾燥空気とモデル大気を基本として行うのが通例だ。これは欧米の気球の世界でもほぼ同じなのだが、日本独特とも言える高湿度高温でのフライトの場合湿度を計算に入れるべきではないだろうかと以前から思っていた。

実際のフライトでは正確な温度計を取り付けていればその誤差は即座にパイロットは認識できるが、温度計を取り付けてなかったり、温度ヒューズなどに依存している事例も多く、このあたりは一度考えてみたほうがいいのではと、以前から思っていた。

人間の感覚では湿度が高いとモワッとして空気が重く感じるが、物理的には水の分子のほうが酸素や窒素よりも軽く、湿度が高いほど空気密度が小さくなる。同じ気温なら、湿度が高いと標高が上がったのと同じことが起こる。気温が低い時より、より多くの水分子を内包できる高温の時ほどその湿度に因る影響が大きくなる。


夏場の渡良瀬などは机上計算のロードチャート以上に球皮内温度が上がることが時々ある。この原因の大きな要因が湿度の高さに起因している。正確な温度計とロード計算をしていないと、ちょっと重いかなぁと思うぐらいで終わってしまうが。


夏場は、外気温の高さ、湿度の高さの両面から空気密度が小さくなり、気球にとっては冬場に比べて、浮力が得にくい上、温度を上げることにより球皮へのダメージも大きくなりやすい。まったくアバウトな話だが、湿度が高い夏場は、温度に換算して2~3度ぶんは湿度に寄る影響を受けていると考えて飛ぶべきだと思う。このような微妙な変化や影響は机上のロード計算では得にくく、正確な温度計に寄る離陸時の温度管理によって把握するしか無い。自分の場合離陸時浮いた時の球皮内温度をチェックするのが離陸時のシーケンスになっている。
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by airspace_balloon | 2016-06-15 21:10 | 気球技術系

Nexus7のGPSはWAASや準天頂衛星に対応している

先日発売日に注文したNexus7を色々使って遊んでいるのだが、搭載しているGPSチップが準天頂衛星に対応しているという話はあったが、実際に衛星番号190番台のそれらの衛星を補足することがないので、ファームウエアが対応していないと思っていた。また、WAASの42と50番もも補足しないので、これにも対応していないんだと思いこんでいた。

先日何気なく衛星補足画面を表示させていたところ、突然42番を拾い出したのだ。だが・・・ずっと拾っているわけではなく、ちょっと拾っては、すぐに消えるような感じで・・・でも間違いなく42番を補足しているようだ。

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また、ネットを色々検索していくと、準天頂衛星を拾っても衛星番号が01になるという話があった。01番のGPS衛星が見えているときは、準天頂衛星が表示されないという話も。

また、準天頂衛星と、GPS衛星の01番を交互に拾っている様子を動画にしてみた。
http://www.youtube.com/watch?v=mtBTrgIi_-0

この両方の新しい衛星に対応しているNexus7。電池の持ちの良さなどもあり、気球で使用する下手なハンディーGPSよりこれの方がはるかに使いやすいかもしれないと思っている。
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by airspace_balloon | 2012-10-19 12:57 | 気球技術系

新しく作った機体

新しく製作した機体。

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1840m3の機体。このタイプの機体に初めてスカートを製作したが・・・インフレテストであわてる・・・シワが多い・・・型状が微妙に変だ・・

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改めて設計プログラムをチェックするとスカートの設計の基礎データが間違っていたことに気がつく・・・

開口部直径が30センチも大きい・・・105の機体のデータと入れ替わっていた・・・やれやれ・・・105の機体ならフィットするはず。作り直し・・・
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by airspace_balloon | 2012-04-09 14:25 | 気球技術系

ノーメックス素材、ギリギリで間に合った・・

先週裁断をしていて、あと数mというところで足りなくなったノーメックス・・・

代理店に同じ色の在庫が一反だけ残っていて、セーフ!

無かったらかなりやばかった。

カーボン繊維を補強で入れて有るやや特殊なノーメックス。3mもあれば、足りたのだが・・・一反で買わなければならないのが辛いところ・・・しばらく残りは在庫に・・

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by airspace_balloon | 2012-04-05 11:51 | 気球技術系

New Fabric

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新しい購入先からのファブリックがやっと届いた。ちと忙しくなるかな。
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by airspace_balloon | 2012-03-06 11:29 | 気球技術系

パラシュートの張り替えは結構手間がかかる

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400時間以上飛んだ機体のパラシュートを新しい物に入れ替えたのだが・・・
全く同じ裁断で作られたパラシュートに入れ替えたが・・・当初、収縮変形している球皮本体と、新しいパラシュートの調整がうまくいかず少し開き気味に・・・

センタライジングを全く同じ位置で取り付けたところ、球皮の収縮もあり長すぎたようで、3センチほど詰めてほぼ問題なく。

しかし、微妙にセンターに来ない感じがあり・・・現状でぴったり合わせても少し飛ぶと今度は短くなりすぎる気もするし・・・・もうちょっと詰めようかと思ったが・・・なじんでくると判断してもう少し飛んでもらうことにした。

新しい部分と古い部分の微調整はかなり難しい・・・
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by airspace_balloon | 2011-10-03 20:09 | 気球技術系

ロールアウト

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by airspace_balloon | 2011-07-17 11:22 | 気球技術系

ガス圧の変化で燃費が変わる理由

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気球バーナーでガスの圧力が適正でないと燃焼効率が変わるという話をちょっと前に書いたが、その理由について考察してみようかと思う。

気球のバーナーの構造は、ブラストバルブから先は、熱交換器であるコイルで液体状態のガスを一気に気化させ、ノズルから噴出させ空気と混合、そして燃焼させる構造になっている。

燃料圧力が適正であれば連続してコイル部分での気化を行うのに適当な液体ガスが供給されるが、燃料圧力が低すぎると、ガスの噴出速度と供給量がバーナーコイルが必要とする量に届かず、気化するポイントがコイルの前の方に来てしまい、ある種のバーナーではブラストバルブ部分の凍結という状況をも引き起こしたりする。古い自作時代のバーナーにはこのようなタイプの物が結構存在した。理由は、太めのパイプを用いたコイルを使用していることによる設計上の特徴でもあった。これは、初期のカメロンのバーナーに影響を受けた設計が多かったからでもある。

最近のバーナーはおおむね、コイル付近で熱交換が行われるように設計され、ブラストバルブ付近での急減圧を防いでいる物が多い。しかし、やはり低圧では、適正な気化が行われにくく、ノズルから先の空気との混合がうまくいかない段階で着火してしまい、結果燃焼効率を悪くするようなのだ。

ガス圧が高すぎても逆に気化しきれずに噴出し、空気との混合がうまくいかないで着火する弊害がある。

いずれにしても、コイルの部分で適正に気化が行われ、ノズルから適当な気化状態で噴出されることが空気との適正な混合を得るためには重要な要素になっている。

適正な混合の結果がよい燃焼になり、結果燃費の向上にも役立つというわけだ。


前から持っているアイデアなのだが、白金触媒による燃焼効率のUPが気球バーナーでも出来ないかと思っているのだが・・・・誰か実験した事例はないのかなぁ・・・・海外とかさがしても、今のところ見つけられない・・・


画像は、燃焼効率を逆に悪くすることで赤い炎を作っている、エアロスターのグローバルブの炎。コイルにススがつきにくくするためにノズルはコイル上部に別に用意されている。
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by airspace_balloon | 2011-03-11 10:58 | 気球技術系

気球の燃費を考える

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最近のプロパンガスの価格高騰により、燃費を気にする話がある。それについて以前から考えていたこと、普段考慮しながら飛んでいることなどをまとめてみた。



熱気球の燃費の優劣は、様々な条件で構成されるが、バーナーの燃焼効率を一定とした場合、ほとんどが球皮によりその条件が変わると言える。球皮における燃費に影響を与える条件はだいたい以下のような要素が上げられる。

・ 開口部からのヒートロス
・ 球皮が外部と接触することによる冷却
・ コーティングや縫い目、リップの隙間などからの空気漏れ



それぞれの要素について検討してみる。


開口部からのヒートロスは、バーナーで発生させた熱を外に漏らすことなく球皮内部にどれだけ導くことが出来ているかという部分だ。気球の影を見ているとバーナーからの熱による陽炎のような物が、開口部から外に逃げていくのを見たことがあるパイロットも多いだろう。アレが問題なのだ。その意味で、バーナーから開口部までの距離は出来るだけ近い方がよい。さらに、深めのスカートを装備していると、より熱が逃げにくく、燃費効率に貢献する。


球皮が外部と接触することによる冷却は、同じ体積の気球では、その表面積が出来るだけ小さくなることが望ましい。その意味で最小の表面積で最大の体積が得られる形状が一番燃費がよい気球の形状といえる。カボチャと呼ばれるでこぼこした気球より、スムースが良いし、レーサーと呼ばれる縦長の気球より丸っこい気体の方が燃費がよい。滞空時間記録を作る様なフライトに使用する気体が、内側にマイラーなどで2重球皮にして効率を良くしているのも、この外部と接触する球皮からの冷却を極力抑えるという考えに基づいている。計算上もこの接触冷却が一番大きなロスのように思えるのだが。


コーティングや縫い目、リップの隙間などは、良質のコーティングを施され、通常の縫製であれば、その多寡はあまり関係ないようだ。なんせ、球皮内部と外部との圧力差はそれほど大きくはないからだ。ただ、劣化したガーゼのようなコーティングは論外だが。また、パラシュートリップは小さい方が効率がよいのは言うまでもないが、リップアウトしたときの効果も小さくなるという二律背反の部分もある。燃費を考えるのであれば、リップ直径は小さめの方がよいだろう。


球皮に続いてバーナーの燃焼に関して燃費を考える

バーナーはコイルで急激に気化させたプロパンと空気を混合させて燃焼させる器具で、完全燃焼出来ることが最大のカロリーを発生させる。そのために多数のノズルからガスを噴出させより完璧な混合状態で燃焼させられるバーナーが燃費がよいバーナーになる。以前のバーナーは大きな爆発音に近い燃焼音を響かせていた物があるが、この種のバーナーは適正な混合が行われにくく、爆発的な乱れた燃焼を起こしている。そのため、放出された燃料を最近のバーナーに比べて完全に燃やし切れていない物が多い。この点では、音の静かなバーナーは概ね燃焼効率の良いバーナーだったりする。

また、バーナーの燃焼効率は、燃料圧力によっても変わる。低すぎる圧力ではうまく混合が行かず、燃焼効率が落ちるし、高すぎる圧力では、ノズルから気化しきれない半分液体状態のガスが噴出され、同様に燃焼効率の低下を招く。適正な圧力で初めて適正な燃焼が起き、効率の良い燃焼になる。



では、燃費の良い飛び方とは?

機材が同一でも燃費は飛び方で大きく変わってくる。まず、外気温と球皮内温度の差を出来るだけ小さくして飛ぶことが、球皮が外部から冷却される率を小さくする。その意味で、気球のロード一杯で飛ぶのではなく、余裕を持った加重で飛ぶのが肝心になる。球皮内温度を110度にして飛ぶのと80度で飛ぶのでは燃費は大きく異なる。

ロードチャート一杯で飛ぶのはとても燃費効率を悪くするし、球皮の劣化も早く進んでしまうことになる。長時間のフライトをするとき、パイロットはどうしてもロードチャート一杯に燃料を積みたくなるが、これもある面考え物かもしれない。離陸重量が軽い方が、低い温度で飛行でき、燃費効率はよいからだ。その上、多くのシリンダーを積んでいると使い終わった後のシリンダーは単なるバラストにしかならず、燃費効率を低下させるからだ。第二次世界大戦中の零戦が、燃費効率が良く長い時間の長距離飛行を可能にしたのは、軽いロードの機体だったことが最大の理由で、その考え方を少し取り入れてみるのも良いのではないだろうか。また、車で燃費を良くするために、無駄な物を車から降ろすことが良く言われるが、まさにそれでもある。

同じ機体で、同じ乗員重量、同じ飛行をして、20キロシリンダー4本で飛べる時間と、6本で飛べる時間は、ほとんど差がないかもしれない。6本搭載した機体は離陸直後その重さのため急激に燃料を消費する、後半でも空になったシリンダー2本分の重量が常にデットウエイトになって燃費を悪くする。その結果、同じぐらいという結果になるのだが。


また、気球を上昇させるとき、球皮内温度を上げすぎず下げすぎず、こまめにチェックすることも重要だ。車で言えば、アクセルをゆっくり一定の間隔で踏み込むことが燃費に貢献するのと同じ原理だ。急加速、急減速が燃費を悪くするのと同じ事で、急上昇、急降下も同様に燃費に影響する。もちろんフライト中それが必要なこともあるので、その時にバーナーの炊き方を正確に温度管理しながら炊くのが燃費にも重要だし、球皮ダメージを与えないためにも重要になる。

また、上昇時、連続してバーナーを炊くのよりも断続させて球皮全体が暖まるような対流をイメージしていると、同じ燃料で、より効率よく上昇させられるし、連続して炊くことにより天頂部付近だけ急激に温度を上げてオーバーヒートするようなことを防げる。車で言えば、エンジンの空ぶかしや回転数を上げすぎないのと同じことだ。

燃費効率を考えるのであれば、正確な球皮内温度計は絶対条件になると思う。球皮を長持ちさせるためにも必要な条件だ。

また、リップは極力使わないのが燃費にはよい。これは車でブレーキを踏まない方がよいのと同じ事だが、こればかりはフライトの中で不可避な部分もあり、何とも言えない部分だが・・・気持ち的に無駄なリップ操作は避けた方が良いぐらいのイメージを持っているのがよいのではないだろうか。


色々な要素はあるが、車の燃費向上の方法を気球の飛び方、機材に重ねて考えてみるとその方法は自ずと見えてくるのではないだろうか。
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by airspace_balloon | 2011-03-10 21:32 | 気球技術系

熱気球でブタンガスを使用すると・・

熱気球でブタンガスを使用した方がカロリーが高いのでどうだろうか?という話があったので、ちょっと書いてみる。

単純計算で、同体積でプロパンよりブタンは33%カロリーが高いが、液体状態での比重も約13%重い。気化状態では29%ぐらい重い。簡単に書くと、同じ1m3のガスの重さが29%重くて、33%カロリーが高くなるということで、同一重量の燃料で比較すると、カロリーはほとんど変わらないことになる。

日本国内では純粋のブタンを充填所で入手しにくいことを考えると、は号、ろ号などのプロパンとのミックスを使用する前提になるとカロリーアップの効果がさらに小さい。その上、気球の通常使用では蒸気圧が低いこれらの燃料は、加温では加圧しにくく、窒素加圧を前提にせざるえないので、その分のコスト、手間がかかることになる。窒素加圧により、気体ガスを取り出すパイロットは使用不可になる。

また、バーナーの設計の違いにより、ブタン燃焼に適した特性を持っているかどうかの違いも出てくると思われる。プロパンより、濃く重いブタンを空気とうまく混合燃焼させられるノズルなどの設定が出来ているかといった部分だ。また、熱気球のバーナーはもっとも燃焼効率の良い圧力帯域は限られ、圧が低すぎても、高すぎても燃焼効率が落ちる。低圧のガスで飛んでいると燃費が低下するのを経験的に知っているパイロットも多いかと思うが。


プロパン
ガス比重1.56(空気=1,0℃、0.1013MPa) 液比重0.533(0℃,0.1013MPa) 約24,000kcal/m3

ブタン(ノルマルブタン)
ガス比重2.01(空気=1,0℃、0.1013MPa) 液比重0.601(0℃,0.1013MPa,n-ブタン) 約32,000kcal/m3


だいぶ前、1987年に中国に行ったときにブタンの混合率の高い燃料を使用して飛行したことがある。窒素加圧無しにはフライトはとても困難、全くそのままでは使用に耐えない圧力しか出ない。

中国の充填所の風景。
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そろいの綿で出来たコートのような物を着て中にはいるように求められた・・・
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まぁ・・・・経験的にも、カロリーが高いからとブタンを使用するのは得策とは思えないのだが。


ちょっと訂正しました。
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by airspace_balloon | 2011-03-10 10:40 | 気球技術系