熱気球でブタンガスを使用すると・・

熱気球でブタンガスを使用した方がカロリーが高いのでどうだろうか?という話があったので、ちょっと書いてみる。

単純計算で、同体積でプロパンよりブタンは33%カロリーが高いが、液体状態での比重も約13%重い。気化状態では29%ぐらい重い。簡単に書くと、同じ1m3のガスの重さが29%重くて、33%カロリーが高くなるということで、同一重量の燃料で比較すると、カロリーはほとんど変わらないことになる。

日本国内では純粋のブタンを充填所で入手しにくいことを考えると、は号、ろ号などのプロパンとのミックスを使用する前提になるとカロリーアップの効果がさらに小さい。その上、気球の通常使用では蒸気圧が低いこれらの燃料は、加温では加圧しにくく、窒素加圧を前提にせざるえないので、その分のコスト、手間がかかることになる。窒素加圧により、気体ガスを取り出すパイロットは使用不可になる。

また、バーナーの設計の違いにより、ブタン燃焼に適した特性を持っているかどうかの違いも出てくると思われる。プロパンより、濃く重いブタンを空気とうまく混合燃焼させられるノズルなどの設定が出来ているかといった部分だ。また、熱気球のバーナーはもっとも燃焼効率の良い圧力帯域は限られ、圧が低すぎても、高すぎても燃焼効率が落ちる。低圧のガスで飛んでいると燃費が低下するのを経験的に知っているパイロットも多いかと思うが。


プロパン
ガス比重1.56(空気=1,0℃、0.1013MPa) 液比重0.533(0℃,0.1013MPa) 約24,000kcal/m3

ブタン(ノルマルブタン)
ガス比重2.01(空気=1,0℃、0.1013MPa) 液比重0.601(0℃,0.1013MPa,n-ブタン) 約32,000kcal/m3


だいぶ前、1987年に中国に行ったときにブタンの混合率の高い燃料を使用して飛行したことがある。窒素加圧無しにはフライトはとても困難、全くそのままでは使用に耐えない圧力しか出ない。

中国の充填所の風景。
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そろいの綿で出来たコートのような物を着て中にはいるように求められた・・・
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まぁ・・・・経験的にも、カロリーが高いからとブタンを使用するのは得策とは思えないのだが。


ちょっと訂正しました。
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by airspace_balloon | 2011-03-10 10:40 | 気球技術系
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